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違法収集証拠排除法則 [法律]

違法収集証拠排除法則について調べてみましたので、記述しておきます。


違法収集証拠排除法則とは、刑事手続において違法な手続によって収集された証拠に証拠能力は認められないとする原則です。

証拠能力が認められるには、検察官が立証しようとしている事実と関連しますが、概ね
その証拠が立証しようとしている事実と関連があるかという①自然的関連性
証拠の価値が高いため誤判を防止する必要があることから政策的に排除されるものでないことという②法律的関連性
違法な手続による証拠ではないという③証拠禁止でない
ことを満たせば認められます。


違法収集証拠排除法則は、③の証拠禁止に当たるかどうかが問題になります。


違法収集証拠排除法則は明文はありません。
そのため、判例の積み重ねで成り立っています。

本来、違法に収集されたとしても証拠の価値は変わりません。
しかし、このように収集された証拠を事実の認定のための証拠(刑訴法317条)として採用することは、司法に対する国民の信頼を害します。

すなわち、違法な証拠で有罪にするのを認めることは、裁判所は違法な手続きを推奨しているんじゃないのか、と国民は考えるでしょう。


そこで、証拠の価値には変わりありませんが、違法な証拠であれば証拠として採用することを否定する必要があります。

憲法は適正手続を要請し(憲法35条)、違法な手続きで収集された証拠を排除する必要があります。

しかし、違法であれば常に証拠を排除するならば、真実発見の要請(刑訴法1条)、すなわち犯罪者を罰することができず、他の証拠から認定する必要があるため、取調が厳しくなったり、自白獲得に躍起になったりして、糾問的捜査の危険があります。

そこで、令状主義(憲法33条、35条、刑訴法218条1項等)の精神を没却するほどの重大な違法があり、証拠を排除することが将来の違法捜査を抑制するために相当と認められるならば、証拠能力を否定します。


このことから、司法の廉潔性維持と将来の違法捜査抑制のため、

令状主義の精神を没却する重大な違法
証拠の排除が将来の違法捜査を抑制するために相当といえるかどうか

を要件としています。


この要件は、令状主義の精神を没却する重大な違法があれば絶対的に排除し、
そうでもない場合には、排除相当性を考慮するのか、
重大な違法であっても排除が相当な場合にのみ排除するのか争いがあります。
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