完璧な店員

近所のスーパーに非常に完璧な店員がいます。

どういう風に完璧かというのを伝えにくいのですが、とにかく動作に隙がなく完璧なんです。


近所のスーパーでは、複数のレジの通りがあり、さらにその通りごとに手前と奥に分かれてレジがあります。

　客　　　　客　　　客　　　　客
　客　　　　客　　　客　　　　客
｜A1｜｜B1｜｜C1｜｜D1｜
｜A2｜｜B2｜｜C2｜｜D2｜


合計8つのレジがあるのですが、そのうちの一つにその完璧な店員が配置されると、相当の速さでそこの行列は解消されます。


手前と奥のレジがあるため、C2に完璧な店員が配置されたとします。
Cの列に並んでいる客は、C1かC2のうちどちらか先に終わった方にレジ処理をしてもらいます。

C2に配置された完璧な店員は、並んでいる次の客を呼ぶために、声を掛けますが、そのタイミングが完璧なのです。

自分のところで支払いをしている客がいたら、その客が遅い人(モタモタして財布から小銭を出す)であれば、次の客を呼ぶのを少し待ちます。
支払いをしている客が早い場合、次の客を早めに呼びます。

バーコードを読み取るテンポも完璧です。
まずミスがなく、バーコードがきちんと読み取れる場所を把握できています。
流れるようで美しいです。

処理が終わったら、レジ袋をくれますが、その数も完璧。確実に入る量を瞬時に把握して必要枚数をくれます。
これって結構難しいみたいで、下手な人は足りない場合が多い。

また、お金を出すとき、小銭がなく1000円札しか無いときは、1000円札を支払入れに置きます。
このとき、よくない店員は、1000円でよろしいですか？と聞きます。このやりとり、私は結構めんどくさいのですが、完璧な店員は、雰囲気を察して、1000円お預かりしますと、瞬時に言ってくれます。

また、1万円札を出したときに、お釣りに札を渡してくれ、そのあと、小銭を渡してくれますが、小銭とともにレシートを渡してくれる店員はよくない店員です。

札を札入れに入れて、小銭を小銭入れに入れるのに、レシートは札入れに入れるため、レシートの上から小銭を滑らせて小銭入れに入れ、レシートだけを札入れに入れるのは、バランスが悪く危険でめんどくさいです。

札と同時にレシートを渡すと、小銭を渡し終わっていないのにレシートを渡してしまうため、そこで会計が終了したことになり、たぶんルール違反なのだと思います。

それをこの店員はきちんと把握しており、1万円札を出すと、お釣りに札を渡してくれて、その後、小銭を渡してくれて、小銭を入れ終わった後に、レシートを渡してくれます。こういう気遣いが完璧たる所以なのです。

テンポがいいので、このような調子でどんどん進みます。
これがただ単に速いのではなく、丁寧かつ速いのです。

私はこの完璧な店員に並ぶ時は、こちらも完璧にしないと悪いと思ってしまいます。

呼ばれたら、テンポよく買い物かごを差し出し、テンポよく支払いをするために、1000円札を持ち、財布の中にある小銭は10円を数枚、1円を数枚把握しておき、合計金額が出たら、瞬時に出せるように準備します。

合計金額が出てから、小銭を探していたのではこの完璧な店員に合わせるのは間に合いません。

お釣りを受け取る時も、店員と同時のテンポで入れることができます。

このようにしてたった数秒の短縮ですが、こちらも急かされているという気もせず、気分もよく気持ちいいです。