「家賃滞納でドア施錠」は違法 福岡地裁「占有権侵害」 [法律]
この記事、タイトルがちょっと誘導しています。
まるで、家主がドア施錠したから違法のように思ってしまいますが、実は異なります。
http://www.asahi.com/national/update/1225/SEB200812250008.html
事案の概要
「賃貸アパートの家賃を滞納したことから部屋のドアをロックされ退去を迫られたのは違法だとして、東京都の男性が、家主に慰謝料など110万円の損害賠償を求めた」
判決は、
「賠償請求は棄却したものの、補助参加人として訴訟に加わった家賃保証会社(東京)がドアをロックした行為については、「男性の占有権を侵害し、不法行為にあたる」として違法と判断した。」
「同社が家賃の肩代わりを最小限に抑えるためにドアをロックしたと指摘。
(中略)
賠償請求については「ドアロックについては家主の関与が認められない」として請求を棄却した。」
この内容は、
この訴訟が借主たる賃借人(借家人)と貸主たる家主が当事者で、補助参加人として家賃保証会社が
参加し、この家賃保証会社が借家のドアをロックした行為が不法行為であり、家主はそのドアロック
行為に関与していないため、借主は家主に対して損害賠償請求は認められないとしています。
簡単に表すと、
訴えの内容
当事者:借主→家主
理由:家主がドアをロックしたから違法行為として損害賠償請求。
判決
家賃保証会社がドアをロックした。家主は関与していない。
借主が家主に対してした損害賠償請求は認められないよ。
さて、もう少し内容に踏み込んでみます。
まず、補助参加人について
補助参加人は、訴訟の結果について利害関係を有する第三者に認められます(民訴法42条)。
難しいので省略しますが、
「訴訟の結果」は、主文のみならず、判決理由中の判断も含み、「利害関係」は法律上の
利害関係で論理的関係があれば認められます。
家賃保証会社に不法行為が認められるとする内容は、家賃保証会社が違法行為をしたことに
ついて、法律上の利害関係を有するので、補助参加人として認められます。
補助参加人として参加し、訴訟を追行した結果、ドアをロックした行為について
家主に違法性はなく、家賃保証会社にあるため、借主が家主に対して求めた
損害賠償は認められない。
そして、補助参加人として認められたけど、借主の請求は棄却されたから、参加的効力は
家賃保証会社に対して認められない。
すなわち、借主は、家主に対しては不法行為に基づく損害賠償請求は認められないけど、
家賃保証会社に対しては、認められる可能性があるが、この判決においては、元々の
訴えが、借主から家主に対してであり、家賃保証会社に対してではないので、
棄却判決が下されている。
だから、借主は、家賃保証会社を相手取って別訴を提起すべきである。
でも、今回の判決が出たからといって、当然に家賃保証会社に対して損害賠償請求が
認められるわけではなく、訴えて立証活動によって認められないと、損害賠償請求は認められません。
といった内容です。
また、家主がドアをロックした行為について関与していた場合、家主に対して損害賠償請求が認められた
可能性がありますね。
この点については重要です。
本来、契約解除又は契約終了でない限り、借主は家賃を滞納したとしても契約が存続するため、
借家を占有する権限があります。
そして、家賃滞納により債務不履行による解除として、解除権を行使した場合、解除が認められます。
そうすれば、借家を明け渡せと裁判所に請求でき、認められれば、執行すればよいのだと思います。
まるで、家主がドア施錠したから違法のように思ってしまいますが、実は異なります。
http://www.asahi.com/national/update/1225/SEB200812250008.html
事案の概要
「賃貸アパートの家賃を滞納したことから部屋のドアをロックされ退去を迫られたのは違法だとして、東京都の男性が、家主に慰謝料など110万円の損害賠償を求めた」
判決は、
「賠償請求は棄却したものの、補助参加人として訴訟に加わった家賃保証会社(東京)がドアをロックした行為については、「男性の占有権を侵害し、不法行為にあたる」として違法と判断した。」
「同社が家賃の肩代わりを最小限に抑えるためにドアをロックしたと指摘。
(中略)
賠償請求については「ドアロックについては家主の関与が認められない」として請求を棄却した。」
この内容は、
この訴訟が借主たる賃借人(借家人)と貸主たる家主が当事者で、補助参加人として家賃保証会社が
参加し、この家賃保証会社が借家のドアをロックした行為が不法行為であり、家主はそのドアロック
行為に関与していないため、借主は家主に対して損害賠償請求は認められないとしています。
簡単に表すと、
訴えの内容
当事者:借主→家主
理由:家主がドアをロックしたから違法行為として損害賠償請求。
判決
家賃保証会社がドアをロックした。家主は関与していない。
借主が家主に対してした損害賠償請求は認められないよ。
さて、もう少し内容に踏み込んでみます。
まず、補助参加人について
補助参加人は、訴訟の結果について利害関係を有する第三者に認められます(民訴法42条)。
難しいので省略しますが、
「訴訟の結果」は、主文のみならず、判決理由中の判断も含み、「利害関係」は法律上の
利害関係で論理的関係があれば認められます。
家賃保証会社に不法行為が認められるとする内容は、家賃保証会社が違法行為をしたことに
ついて、法律上の利害関係を有するので、補助参加人として認められます。
補助参加人として参加し、訴訟を追行した結果、ドアをロックした行為について
家主に違法性はなく、家賃保証会社にあるため、借主が家主に対して求めた
損害賠償は認められない。
そして、補助参加人として認められたけど、借主の請求は棄却されたから、参加的効力は
家賃保証会社に対して認められない。
すなわち、借主は、家主に対しては不法行為に基づく損害賠償請求は認められないけど、
家賃保証会社に対しては、認められる可能性があるが、この判決においては、元々の
訴えが、借主から家主に対してであり、家賃保証会社に対してではないので、
棄却判決が下されている。
だから、借主は、家賃保証会社を相手取って別訴を提起すべきである。
でも、今回の判決が出たからといって、当然に家賃保証会社に対して損害賠償請求が
認められるわけではなく、訴えて立証活動によって認められないと、損害賠償請求は認められません。
といった内容です。
また、家主がドアをロックした行為について関与していた場合、家主に対して損害賠償請求が認められた
可能性がありますね。
この点については重要です。
本来、契約解除又は契約終了でない限り、借主は家賃を滞納したとしても契約が存続するため、
借家を占有する権限があります。
そして、家賃滞納により債務不履行による解除として、解除権を行使した場合、解除が認められます。
そうすれば、借家を明け渡せと裁判所に請求でき、認められれば、執行すればよいのだと思います。
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