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著作権の保護期間延長 [法律]

昨日、深夜に著作権の保護期間延長問題についての放送がありました。

現行の50年から70年に延長しようという動きがあるんですね。

アメリカやヨーロッパでは70年に延長されているそうです。
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/event/2006/12/12/14210.html

著作権保護ができなければ、作者の意図を無視して、勝手に改変して発表しても問題ないということが起こってしまうようです。

改変禁止としても保護がなければ、実効性はないでしょうから、必要なような気もしますが、作者の子孫がそれを保護することによって、利益を得ているのはどうも腑に落ちないところもあります。

著作権についてはあまり詳しくないのですが、情報あるいは産物という概念を保護することができる画期的な法律だと思います。
これを発展させれば、情報窃盗の刑法的概念がもう少し進みそうな気がします。
多分、いろいろ議論されているのでしょう。

問題は、本の立ち読みや楽譜のコード進行記憶も情報窃盗に当たってしまうのでは?とか。


Winny判決の解説 [法律]

Winny事件における幇助行為の要件と判決文から読みとれる構成要件の客観面に
ついて結構詳細に分析されています。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20070420/269127/


憲法改正の国民投票法案が衆院通過 [法律]

憲法改正のための国民投票法案が衆院を通過したみたいです。

http://www.asahi.com/politics/update/0413/TKY200704130227.html

憲法改正は憲法96条に書かれています。

第96条 この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
2 憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。

今まで特別の国民投票、国会の定める選挙の際行はれる投票が厳格に規定されていないので、成立されようとしているものだと認識しています。

国会の発議は、憲法改正の提案と決議によって通過したものを指します。

色々問題点があったのが、

・改正案は?
・特別の国民投票とは?
・国民とは?
・国会の定める選挙の際とは?
・過半数とは?

です。

改正案とは、一括の憲法を提示して、賛成か反対かが問題になりますが、各条文ごとに賛成、反対が必要だったと思います。

国民とは、国民を有権者とすると、有権者でない人と有権者である人の2分されることになるので、問題となりました。
つまり、現行法の公職選挙法9条だと国民が20歳未満と20歳以上に分割されてしまうこと。
だから、今回は18歳以上は投票権があるとか議論されているのだと思います。
もっとも18歳以上と18歳未満に2分されますが、20歳未満よりは、国民とされる人が増えます。

国会の定める選挙とは、衆議院選挙か参議院選挙かどっちでもいいのか。

過半数とは、有効票の過半数なのか、有効票・無効票含めた投票数の過半数なのか、投票する権利を持つ人の過半数なのか等。

中身を知らないのですが、今回のは、これらが解決するのかな。


FBI捜査官、Second Lifeのカジノを視察 [法律]

FBI捜査官、Second Lifeのカジノを視察
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0704/05/news031.html

最近注目されているSecond Lifeですが、RMTも盛んになり、ドルとの換金もできるようで、かなり犯罪の温床になり得ます。


インターネットのビデオ配信で政見放送削除 [法律]

AmebaVisionで政見放送削除 都選管が依頼、YouTubeも

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0704/06/news027.html

政見放送の差別発言の削除として有名な判例がありますが、それとは異なり今回のは、表現の自由と立候補者の選挙活動の自由と選挙の公正とが絡み合う記事です。
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=25859&hanreiKbn=01


メモ 民法って難解 [法律]

メモ 

どうでも良い話。

代位弁済における求償権と原債権との関係
**********************************
たまたま見つけたんですが、民法って分かりにくいです。

「代位弁済者が弁済による代位によって取得した担保権を実行する場合において、その被担保債権として扱うべきものは、原債権であって、保証人の債務者に対する求償権ではない。」

簡単な事例)
AがBから1000万円借りており、CがAの保証人になっていた。さらに、A所有の土地に抵当権を設定した。
このとき、保証人Cが貸主Bに1000万円を返却した場合。

保証人Cは借主Aに対して
「1000万円を代わりに払ってあげたから1000万円返して」
といえる。
さらに貸主Bが持っていた抵当権を保証人Cが取得する。

で、借主Aが1000万円返してくれないと、保証人Cは抵当権を競売にかけれる。
このとき、この抵当権は保証人Cが借主Aに対して1000万円返してという権利ではなく、貸主Bが借主Aに貸していた1000万円であるという意味。

代位弁済者…保証人C
担保権…抵当権
実行…競売
被担保債権…担保権の元となる債権=抵当権が保証している債権
原債権…BがAに貸した1000万円
保証人の債務者…A
求償権…CがAに対して1000万円返してという権利


表現の自由 [法律]

メモ
調べてみた
**************
表現の自由(憲法21条1項)は保障されている。

なぜ?

自己実現:自己の人格形成に必要不可欠
自己統治:国民主権原理を全うするため、国政の意思決定に参加するための前提

これらを有するため重要な権利

また、表現という送り手と表裏一体となる受けての権利たる知る権利も保障される

しかし、表現の自由を無制限に保障することは、他人の権利を侵害するおそれあり。

そこで「公共の福祉」(12条後段、13条後段)によって表現の自由も制約される

しかし、制約は上記権利確保のため必要最小限度でなくてはならない。

○事前抑制禁止
 事前抑制は表現が手元に届く前に抑制すること
 ゆえに原則禁止
 例外的に認められる場合あり
 1)裁判所が行い
 2)表現内容が真実でないまたは専ら公益を図る目的のものでない事が明白であって
 3)かつ被害者が重大で著しく回復困難な損害を被るおそれがあること
 4)原則として口頭弁論又は債務者の審尋を行うこと

○検閲の絶対禁止
 検閲は絶対的に禁止
 しかし、それを厳格に保持するため、検閲概念は狭く
 「行政権が主体となつて、思想内容等の表現物を対象とし、その全部又は一部の発表の禁止を目的として、対象とされる一定の表現物につき網羅的一般的に、発表前にその内容を審査したうえ、不適当と認めるものの発表を禁止すること」
(北方ジャーナル事件)

○明確性の理論
 禁止される法定事項は明確でなくてはならないこと。
 なぜなら、解釈により広汎にすることが可能なら、公権力による恣意的な適用がなされるから。
 漠然性ゆえに無効の理論、過度に広汎ゆえに無効の理論

○明白かつ現在の危険の基準
 明白かつ現在の危険もないのに表現の自由を禁止してはならない
 反対解釈から明白かつ現在の危険があれば表現の自由への規制は可能

○内容規制
 表現の内容に基づいて規制
 例)有害図書の販売規制(岐阜県青少年条例)

○内容中立規制
 表現内容(メッセージ)とは無関係に、表現の時、方法、場所に注目した規制
 これにより、表現の自由一般を規制することも可能になる


アメリカで薬物による死刑執行が残酷刑として違憲 [法律]

アメリカでの薬物を使用した死刑執行に対して残酷な刑罰として違憲とした判決が地裁レベルで出ました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061216-00000036-mai-int

まあ、死刑に対する考えが色々あるように、方法もいろいろあり、時代によって妥当な方法が模索されていくのも当然でしょう。


控訴審 [法律]

控訴審の種類は3種類。

続審
第一審の続き(民訴法)
メリット:発見した新たな証拠を提出できる
デメリット:一審が重視されないおそれ

事後審
第一審の審理、判決に対して審査する
メリット:第一審重視
デメリット:新たに発見した証拠が提出できない

覆審
第一審とは関係なく新たに審理をする
メリット:再度すべての審理をすることができる
デメリット:第一審が無駄、有利な当事者の地位を無にする

刑訴法における控訴審は、事後審。
∵原判決の誤りを内容とする控訴理由が必要(377条-384条)

第一審に提出された証拠を元に控訴理由について調査、取調べをする。

一次的応答は、原判決の破棄、あるいは認容(控訴棄却)。破棄なら差戻し、あるいは移送。

二次的応答は、原判決の破棄自判。この場合には例外的に続審となる。


刑法の故意2 [法律]

最近のこのサイトへの検索文で、
「現在 ログオンユーザ 調べ」
ってのがありました。参考になってくれれば幸いです。やなぎわら氏にも感謝!!

「法律の留保 法治主義」や「実質的法治主義」
で検索するとトップに来ますねw

「蓋然性 刑法」
ってのも上位に来ます。

全然このブログの本体とは関係ないんですけどね。


では、また、恋の、いや、故意の話。

一昔前のライブドア事件で、
「違法性の意識はなかった」
という発言があったと記憶しております。

これは何を言おうとしているのか。

刑法38条3項の話です。

刑法38条3項
「法律を知らなかったとしても、そのことによって、罪を犯す意思がなかったとすることはできない。ただし、情状により、その刑を減軽することができる。」

色々な見解をまとめてみました。

判例は違法性の意識不要説に立っていると言われているようです。
つまり、38条3項の法律とは違法性と読み替え、違法性の意識がなくても故意を阻却しないということです。

正確には
 「法律」(=違法性の意)「を知らなかったとしても、そのことによって、罪を犯す意思」(=犯罪事実認識等あれば良い。違法性の意識不要かつ違法性の意識の可能性不要)「がなかったとすることはできない。」

しかし、これでは国民みんなが法律を知っていないといけないってことになりかねないようです。
#犯罪事実を認識しながら、違法じゃないって思ってるのが不可思議!?

他にも

違法性の意識必要説(厳格故意説)
 違法性の意識がなければ故意は阻却される
 38条3項の法律はそのまま法規の意味

違法性の意識可能性必要説(制限故意説)
 違法性の意識の可能性必要説(制限故意説)
 38条3項の法律は法規でも違法性の意識でも良い

制限故意説の中の過失必要説
 違法性の意識がなくても、違法性の意識の可能性がないことに過失あれば故意あり

違法性の意識可能性は責任故意の問題(責任説)
 違法性の意識は責任要素であるが、違法性の意識の可能性がなければ故意犯も過失犯も成立しない

というのがあるようです。

難解ですねww。


裁判 [法律]

また、どうでもよい話です。

「この事例は裁判所の判断に委ねるから、一般人は判断できない。」

これは、通常一般人が見て白黒明白な事実についてはあてはまりません。

確かに裁判は、誰でも受ける権利がありますが、本来、グレーな部分及び一方に明らかに不利益が及ぶ場合について法律を解釈・適用して相互の人権保障を図るものです。

民事においては、私法上の権利関係の存否が争点になっており、これを互いの主張があり白黒はっきりしないから裁判を利用します。

もっとも、刑事においては、人権制限、適正手続の観点から裁判をするので、グレーな部分がメインとは限りませんけど。

しかし、刑法にはしてはいけないこととの禁止機能と、ここまでしてよいという自由保障機能があります。

グレーな部分は争われますが、明白に犯罪に当たらない場合は問題ないんですね。


法治国家と法の支配 [法律]

どうでもよい話です。

日本は法治主義、法治国家だという発言をよく見かけるのですが、法治主義には形式的法治主義と実質的法治主義があります。

前者(形式的法治主義)は、いわゆる戦前のドイツであり、法があればどのような内容でもすべてOKという意味になります。
例えば憲法がなく、明日から国民全員に指紋登録を強制するという法案や北朝鮮への批判的表現は禁止するという法案が国会を通ればOKとなってしまうことを言います。
#現実には憲法が自然法としての役割を持っていることから違憲になります。

つまり、法によって人権を制限することができる、いわゆる「法律の留保」が許されるのが法治主義であり、大日本国憲法もこれにあたります。また民主主義以外でもあらゆる主義体制とも結びつきうるものです。

一方、法の支配とは、権力を法で拘束することによって国民の権利と自由を確保することをいいます。
法の支配には、
1)憲法の最高法規性
2)権力によって侵害されない個人的人権
3)適正手続
4)違憲審査権
があります。

これにより、法の内容は憲法、あるいは自然法(法の支配にいう法)に反しないことが必要となります。

実質的法治主義は戦後のドイツで採用された違憲審査制が存在する主義であり、法の支配とほぼ同じ意味になっています。

が、日本国憲法は実質的法治主義である、ではなく、法の支配であるということなりますので、本来憲法論でいえば日本は法の支配が妥当する国家であるといえるのではないでしょうか。

※法律の留保
法律の留保には2つの意味があり、
・行政権は法により抑制されるという法律の留保
・人権は立法により制限されるという法律の留保
の意味があります。

日本国憲法は、前者の意味のみを採用し、後者の意味は排除しています。


刑法の故意 [法律]

たまたま刑法を調べていたのですが、刑法の故意には色々ありますね。

故意といえば、通常は、構成要件的故意を指し、
故意の本質を、犯罪事実を認識し、反対動機の形成が可能であったにもかかわらず、あえて犯罪を犯したことに強い道義的非難が認められるといいます。
反対動機の形成は規範に直面したとも言い替えられます。

確定的故意
犯罪事実の実現を確定的なものとして認識し、これを認容していること。

不確定的故意
犯罪事実の客体を明確に認識していないこと。

↓この不確定的故意の中に以下の故意がある。

概括的故意
結果の発生は確定的だが、結果の個数や具体的客体が不確定な表象の場合
未必の故意
結果の発生が不確実であるが、発生する蓋然性を表象あるいは結果の認容がある場合
これは、故意についての蓋然性説認容説のいずれの場合でも成立する定義
条件付故意
犯罪遂行意思は確定的であるが、遂行が一定条件にかかる場合
択一的故意
数個の客体のうちの何れか1つに結果発生することを認識している場合

また、故意の意思的要素の概念として、蓋然性説、動機説、認容説があり、確定的故意、未必の故意、認識ある過失、認識なき過失の境目が問題となりますが、深いのでやめておきます。


通信の秘密の記事について [法律]

通信の秘密について書かれた記事がありました。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20060810/245661/

この記事中に
『通信の秘密を守らなければならないのは,通信事業者に限った話ではない。第三者が通信内容を盗聴したりしても,法律に違反することになる。』
とありました。

さて、これは半分合っていますが、半分違うと思います。

それは、有線と無線の場合です。

まず、通信の秘密とは、
1)通信の存在(有無)
2)通信の内容
3)通信の構成要素(時刻、相手等)
です。

で、私人が盗聴した場合はどうなるか?

まず、盗聴とは、「傍受」とは異なり、「他人の会話を(機器などを用いて)気づかれないように聞くこと。ぬすみぎき。」のことです。
http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=%C5%F0%C4%B0&kind=jn

傍受は、「無線通信を交信相手でない者が故意または偶然に受信すること。」です。
http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=%CB%B5%BC%F5&kind=jn&mode=0&base=1&row=0

つまり、隣の人が電話をしているのを聞いても盗聴に当たりますが、法律違反にはならないのは当然です。公の場で話している場合には、その権利は放棄されているともいえるからです。

次に盗聴をした場合の適用法ですが、有線の場合を考えます。

憲法は、原則、私人への義務ではなく、国家権力の抑制です。
#例外として、児童酷使禁止(27条3項)などがあります。
通信の秘密も国家権力への抑制であり、私人への適用はありません。

次に、電気通信事業法は電気通信事業者が対象ですので、その事業者職員でなければ適用はありません。

とすると、他に該当するものとして有線電気通信法9条に
有線電気通信の秘密は、侵してはならない。
があります。

これに抵触する場合には法律違反ということになります。
ただし、これはあくまで有線回線上に盗聴器を仕掛けて盗聴した場合に限ります。

また、室内へ侵入して盗聴器を仕掛けるのであれば刑法の住居侵入罪(130条前段)の適用がありますが、盗聴に直接関するものではありません。
アパート等の自分の部屋で壁に聴診器等で会話を聞くことは問題ありません。

有線関係は上記だけだと思います。

では、無線(コードレス電話の盗聴等)はどうか?

電波法59条に
何人も法律に別段の定めがある場合を除くほか、特定の相手方に対して行われる無線通信を傍受してその存在もしくは内容を漏らし、またはこれを盗用してはならない。
があります。

これも漏らしたり、何かに盗用しなければ問題ありません。

このように、有線では有線回線上に盗聴器を仕掛けた場合、例えば電話機やモジュラーに仕掛けたり場合や室内に侵入して盗聴器を仕掛けた場合に法律違反になり、無線は漏洩や盗用の場合に法律違反になります。

よって、テレビでよく見る、プレゼントと称してぬいぐるみに盗聴器を仕掛けたり、外でアンテナを立てて車からコードレス電話の電波を傍受すること自体は法律には触れないことになります。

もちろん、それらの内容で脅迫、恐喝をすれば刑法犯に、ストーカー行為をすればストーカー規制法違反になります。


これが本当の通信の秘密の侵害では? [法律]

http://internet.watch.impress.co.jp/cda/event/2006/06/09/12274.html
の記事の中に

『質疑応答では、「Winnyを使ってアップロードしていると、電話がかかってくるのか」という質問が寄せられ、杉浦氏は「本当に(電話を)させてしまいました」と回答。かつて、企業の顧客情報を多数のノードに拡散させているユーザーのIPアドレスを割り出し、ISPを通じて削除させるように依頼したエピソードを紹介した。すべてのISPがこうした依頼に対応するわけではないとしながらも、一部のISPではWinny利用者の自宅に訪問したケースもあったと語り、会場を驚かせた。』

とありますが、これこそが通信の秘密を侵害していないのかなぁ?

もっとも、本来なら公権力にこの情報を無令状で渡すことが通信の秘密の侵害の趣旨だと思うのですが、この場合、少なくとも契約違反(債務不履行)、あるいは、不法行為が該当しないのでしょうか?

債務不履行は確かに契約内容によりますが、余りにもユーザ側に不利益な内容なら、それは不当契約として該当部分は無効になると思いますし。

この訪問されたユーザが訴えたら損害賠償請求が可能じゃないんでしょうかねぇ?著作権の権利侵害されている本人ではなく、ISPの人が連絡してきたわけですから。

他人の権利救済として緊急避難?急迫性、補充性、法益権衡を満たす?しかし、民法上の緊急避難は他人の物からの避難ですから、認められませんね。うーん。


ネットでの議決権行使 [法律]

三菱UFJ信託、インターネット議決権行使システムで障害
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060526/239120/

今回は、議決権行使できなかった人が2人だし、内容も2月期決算だったので、それ程大きな瑕疵ではなく、株主総会決議取消事由(会社法831条1項)にはならない気がしますが、今後どうなるか分からないと思います。

例えば、株主の大半がネットでの議決権行使を希望していた場合に、ボットネットで攻撃してサーバにアクセスさせないとか。偽のURLを送りまくるとか。
#株主なら、株主名簿の閲覧請求権が認められるので、住所等(メールアドレスもあるのかな?)に送れる可能性はあります。(125条)

これらの場合、取消事由(831条1項1号)
『株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令若しくは定款に違反し、又は著しく不公正なとき。』
あるいは、不存在(830条)
に当たる気がします。

今回は会社側のミスですけど、第三者の妨害の場合、著しく不公正なときかどうかなのでしょうか。
#株主の重要な経営参加の手段なのですから、会社側のミスはよろしくないですけど。

平成18年5月1日から施行された会社法はまあまあ進んだ法律だと思います。
株券発行は原則なし(214条)とか、以前からありますけど、議決権行使の電磁的方法(創立総会76条、株主総会312条)や取締役会決議の全員一致の場合の電磁的記録(370条)とか。

株券発行不要にしたのは、ネット取引がさかんになっているからですね。

民訴法でも電磁的記録関係は多く取り入れられるようになってます。


Winnyパケット規制は違法との判断 [法律]

ぷららのWinny規制は「違法」と総務省
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0605/18/news036.html
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060518/238305/

行政府の見解は「電気通信事業者法の通信の秘密」に該当するというので決定したということですね(-_-;)。

この見解が正しいかどうかはぷらら等が行政訴訟を提起して裁判所が判断するしか分かりません。
#命令等が出ているわけではないので、訴えの利益なしになるかも!?

この見解、業務上の取扱に当たらない、消極的業務行為になるから違法なのでしょうか。

以前書いた、憲法違反ではないのは確かなんですけどね。主体が異なりますので。

#ちなみにWinnyパケット規制反対派ではあります。

#さらに、よく出てくる正当業務行為とは、刑法35条(法令又は正当な業務による行為は、罰しない。)という違法性阻却事由のことで、医者が患者の体にメスを入れる行為は、傷害罪の構成要件に該当するが、刑法35条の正当業務行為として違法性が阻却される等と使います。
#他に違法性阻却事由としては、正当防衛、緊急避難があります。
#違法性阻却事由があると勘違いしてない場合は、違法性阻却事由の錯誤となり、故意は阻却されず罰せられます。


プロバイダのWinny規制は憲法違反!? [法律]

少し前、プロバイダがWinny規制をすることが、検閲(21条2項前段)や通信の秘密(21条2項後段)に触れるのではないか?というのがありました。

本当?当たるわけないんじゃない?
ってことで調べました。

#高橋郁夫弁護士と吉田和夫助教授のネットワーク管理・調査等の活動と「通信の秘密」も今度読んでみます。
http://www.jaipa.or.jp/info/2005/iw2005/IW05.pdf

検閲
検閲とは、行政権が主体となって、思想内容等の表現物を対象とし、その全部又は一部の発表の禁止を目的として、対象とされる一定の表現物につき網羅的一般的に、発表前にその内容を審査した上、不適当と認めるものの発表を禁止することを、その特質として備えるものを指す
ポルノ税関検査事件(最大判昭和59年12月12日)

特徴
・行政権に限定
 ∵裁判所による事前抑制(事前差止)という例外を認めるため&検閲は絶対禁止とするため
 ただし、公法上の特殊な関係(在監者の閲読制限等)においては、容認あり
・対象
 表現物の審査
・時期
 発表前に禁止

これを見れば、Winnyのパケット規制は、当然に合憲!
検閲の趣旨が表現物の発表の禁止(表現の自由の制約)であり、Winnyパケットの中身が表現物であっても、他の手段で発表可能であり、Winnyパケットを規制することにより、発表が著しく困難になるわけでもなく、国民の知る権利を侵害することもない。
また、表現物に限らず、中身を精査していないことも特徴的。

検閲の禁止に該当せず問題なし。

通信の秘密
通信の秘密の保障は、公権力によって通信の内容及び通信の存在自体に関する事柄について調査の対象とはされないことと同時に通信業務従事者によって職務上知りえた通信に関する情報を漏えいされないことを保障する。

説明は不要かもしれませんが。

秘密が漏えいされなければ良いので、通信業務事業者がWinnyパケットをチェックして、それを誰かに漏えいしなければ問題ありません。もちろん、どこからどこに対してのパケットをやり取りしていたかの情報も漏らしてはいけません。ただ、それだけです。Winnyパケットの規制は何ら問題ないのでは?

また、Winnyが表現の発表の場のインフラとしての役割を持っているならまだしもおそらく全体の1%にも満たないと主観的に思われますので、ますます、規制は違法だ、違憲だということは当てはまらない気がします。

別にWinnyパケット規制万歳ってわけでもありません。プロバイダ側が機器の増設を渋るための口実のようにも思えるもので。トラフィックにはこのぐらい余裕がある、とグラフをちゃんと見せてくれれば良いです。あるいは、プロバイダ協会か何かで一斉に規制をするなら反対もしません。


自民、カジノ解禁プロジェクトチーム設置 [法律]

自民、カジノ解禁プロジェクトチーム設置へ
http://www.asahi.com/politics/update/0125/010.html

カジノ解禁されるとオンラインカジノが合法になる可能性が高まり、賭博の敷居が下がること(中高生の参加)、暴力団系が大手を振って運営できること、パチンコ依存症のような人たち(オンラインで24時間できるのでもっとひどいことに)が大量に発生すること、天下り先が増加すること、といったことが懸念されます。

ただ、メリットとして、税金の増加、雇用者の増加、アングラ組織の表面化といったこともあるかもしれませんが。

税金の増加が一番の目玉なのでしょう。

税金の増加に反対するなら、政府の人員削減、費用削減のために行政サービスの低下、縮小は避けられないので、悩ましいところです。高齢化対策、福祉の充実、教育の充実は必要ですし。


オークションの個人事業主 [法律]

オークションで個人にも記名義務、経産省が該当ケースを1月末に例示へ
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/01/13/10483.html

これで個人事業主かどうかの明確化が図れることになりました。そうすると税金徴収も可能でしょうし。元々転売目的もどうかと思うんですけど。


個人情報 [法律]

個人情報保護が去年の4月から叫ばれてきて、たくさんの漏えい事件が発生しました。
しかし、その後、その情報から何らかの犯罪に遭ったとか、被害を被ったというのは聞かないですけど、それは相関関係がはっきりしないからなのでしょうか?それとも、それ程影響はなかったということでしょうか?
よく分かりません。

あれだけ騒がれて色んなセキュリティ製品が登場してきましたが、その熱が低下している今、サポート料を惜しくなる管理者、経営者もいるでしょう。儲からないと分かった企業はサポートの手を抜くこともあるかもしれません。

私は個人情報についてそれ程高価値とは思っていませんが、個人情報が漏えいされまくってもOKということを言うつもりは毛頭ありません。一時の熱だけで終わって欲しくないなぁって思います。


オンラインカジノ [法律]

オンラインカジノが巷でかなり流行のようですが、法律的にはグレーであってどっちともいえないようです。
http://www.houtal.com/ls/qa/pcnet/crime4.html

正犯なき共犯の問題にひっかかるため、通説である刑法解釈が変わるおそれがあるからのようです。

しかし、参加しなければトラブルに巻き込まれないのは当然のことでしょう。


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デーモン停止 年金問題 [法律]

皆様、あけましておめでとうございます。

年末年始はゆっくり過ごすことができました。

昨日1月4日はDDNSの変更デーモンが何らかの原因で停止していたため、このサーバへのアクセスが不可となっていました。
アクセスして下さっていた方ゴメンナサイ。

新年早々こんな記事がありました。
「年金未納なら医療費は全額自己負担に、厚労省が検討」
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060104ia02.htm

別に良いと思うのですが、懸念されることとして、昨年某人が行っていました健康保険証の偽造問題、それと他人の健康保険証の貸し借りの問題が浮上してくるでしょう。

前者は偽造困難にする技術検討の急務、後者は本人確認のための顔写真等の検討が必要です。

ちなみに、豆知識
後者は1項詐欺罪(刑法246条1項)を構成します。
詐欺罪の要件:ア 欺く行為、イ 相手方の錯誤に基づく処分行為、ウ 財産上の損害

病院に行ったときに他人の保険証で医療費負担を免除してもらう場合、
ア 病院に対して他人のふりになりすますという欺く行為、
イ 相手方の錯誤により、医療免除手続を行うという処分行為
ウ 財産上の損害
になります。

この場合、ウの財産上の損害は国から負担されるから損害がないという批判がありますが、詐欺罪は個別財産の罪にあたるため、錯誤に陥らなければ処分行為をしなかったという関係があれば財産上の損害ありとなります。

これは、クレジットカード詐欺でも同様で、他人のカードを用いて商品を購入した場合、判例は加盟店への詐欺罪を認めています。つまり、カード会社から支払われるから加盟店は損害はないという批判に対して上記の構成により批判は成り立たないということを示しているようです。

例えば、絶対痩せると言われて購入した美容器具を30万円出して買っても、その器具では科学的に痩せない場合、30万円の器具を購入している以上損害はないといえますが、詐欺罪が成立しないのはおかしいということです。

さらに豆知識
偽造は名義人と作成人が異なる場合です。
ですから、健康保険証を偽造する場合は、新たに作ることを指しますが、既に持っている保険証の氏名を書き換えるのは変造になります。どちらも罪は重いですけど。


ハイテク犯罪捜査入門-捜査実務編- [法律]

やっと出ました!!

ハイテク犯罪捜査入門-捜査実務編-
http://www.tokyo-horei.co.jp/haiteku/jitumu.html

中身を少し見て見ましたが、入門編はどうでも良い内容でしたが、こっちは面白そうです。


生命保険の売却認めず [法律]

http://www.asahi.com/national/update/1117/TKY200511170360.html?ref=rss

『生命保険を生保買い取り業者に売却しようとしたがん患者が、保険金の受取人と契約者の名義変更に同意するよう求めた訴訟で、請求を棄却する判決を言い渡した』

いやあ、難しいですね。確かに家族は重病患者が大黒柱の場合、療養中に資金が必要だとしても死亡するまでは保険金を受け取れませんし、かといって簡単に認めると安く買われる危険性もあります。名義上の受取人が遊び金欲しさに勝手に売却してしまう恐れもありますし。

私法なので、契約自由の原則がありますが、公序良俗に反するとか、憲法秩序に違反するなら無効とできる可能性があります。今回の事例は自己の財産処分の自由の場面でもあるが、契約自由の原則を優先した判断といったところでしょうか。

ただ、死亡した後受け取れるということは家族は「早く死んでほしい」と思ってしまう可能性もあります。死んでくれれば金が入って、こんな貧困生活から早く抜け出せるのにという思いもあるかもしれません。件の記事は息子の大学進学のための費用であり、息子の人生を左右することになっています。受取人ではなく、契約者本人の売却の意思が真意であれば、売却可能性を認める必要性も出てくるかもしれません。

判決の、今後議論を必要とし、立法を待つしかないという判断は致し方ないと思います。控訴されるようですので、控訴審も見守りたいと思います。


Winny事件 [法律]

Winny公判
http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/it/24hour/news/20051109k0000e040022000c.html
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2005110800027&genre=D1&area=K10

警察官面前調書と検察面前調書に対して異議を申し立てているので、検察側の特信情況の立証(反対尋問で行われるのでしょう)がなければ裁判官面前調書になると思います(刑訴法321条1項1号)。
被告人側の主観面(内心)の問題なのでどうなるでしょうかね。


海賊版販売 [法律]

オークションとダウンロードで海賊版を販売する新手のケースで逮捕

こんなことをするやつも出てきたんですね。

CD-Rだけ売る奴もまだまだ大量にいますね。
ソフトで、Windows、Office、Adobe系、CD/DVDバックアップ系、ウィルスチェック系などなど。


裁判員制度 [法律]

裁判員制度

思想・信条で辞退可能な条文が盛り込まれるみたいですね。
当然と言えば、当然ですね。

裁判員は、選挙人名簿から無作為抽出で選ばれるので、選ばれた人は
『仕事が忙しいなど』を理由に辞退はできないようです。

しかし、上記の思想・信条を辞退理由にすれば良いので、そう言えば、
辞退が簡単になるかもしれませんね。

ただし、辞退理由を裁判官が判断するので認められないといけませんが。


また、
裁判所は、出頭した裁判員候補者の中から、裁判員となる人を選ぶので、
忙しいのに出頭したけど、裁判員にはなれなかったので、行った意味が
なかったということもありえるかもしれません。


この制度のお陰で、裁判官はさらに仕事が増え、選ばれた人も時間を作らなくては
ならず、今後法曹人口が増えると言われているので、事件は増え、選ばれる人も
増え、ますます、裁判官の仕事や裁判員に相応しいかを調査する人の仕事も
増える
ことになりますね。

日弁連


味の素訴訟 [法律]

味の素に発明対価1億8900万円支払命令・東京地裁

どんどん発明者に対する対価の裁判への関心が高まりますね。


ヤフオク海賊版 [法律]

Yahoo!オークションで著作権侵害
ヤフオクで著作権侵害のCD-Rが大量に販売されている。

実際、ヤフオクでWindowsXPとAdobeを検索すれば、大量に怪しいと
思われる出品が出てくる。

メディアとシリアルナンバーだけお送りしますなどは、明らかにコピー。
いくらACCS等が削除依頼、忠告をしても恐らくなくならない。

ヤフオクとしたら、お金を払ってくれる出品者にわざわざ削除したりして
儲けを減らすことにメリットは余り無い。

海賊版を販売しているのにとクレームを付けられても放置しておけば
何も問題はない。クレームによって参加者が減るわけでもない。

海賊版が売れれば、ヤフオクは儲かり出品者も儲かり落札者も正規品より
安い金額で手に入れ、泣くのは販売・開発業者だけ。

アクティベーションなども企業のボリュームライセンス版なら問題なし。
それをコピーして大量に出品している輩がたくさんいる。

対策はまだ出ない。モラルの低下は改善の余地ないしなあ。


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